リーグ全体で起きているトレンド by ザック・ロウ氏

リーグ全体で起きているトレンド by ザック・ロウ氏

引き続き、Grantlandのザック・ロウ氏の記事の後編です!前編はどこや!という方はこちらへ
成績や数値は全て元記事が配信された11/12現在の物です。

元記事はこちらです:
Early Season NBA Trends | by Zach Lowe

ブルックリンが割と平凡

ネッツはホームでマイアミに勝利を上げているが、シーズンを通してあまりパッとせず、得失点差はマイナス、攻守ともに平均かそれ以下のプレイ、複数のビッグネームを要しながらもそれぞれがあまり活躍できていない。

しかし多くのそのビッグネームは高年齢(ポール・ピアース、ケビン・ガーネット)か怪我明け(デロン・ウィリアムズ、アンドレイ・キリレンコ)で、この層の厚いチームが自身の底力を見つけ出すまでただ時間がかかるだけなのかもしれない。そんな中でもガーネットのプレイが特に良くない。ネッツは彼がコートにいると攻守共にパフォーマンスが低下しているが、特にガーネットの得意分野とされているディフェンスが酷く低下している。ネッツはガーネットがベンチにいる時は100ポゼッション平均96.6失点で、ガーネットが出場している時は107.6失点を記録している。これはトップ3の守備とサクラメントのリーグ最下位の守備くらいの差だ。

もちろんまだシーズン序盤だ。ガーネットのディフェンススキルはここ数年で(とてもゆっくりと)低下し始めている。ピック&ロールで相手ガードを抑え込めるようなスピードはもうなく、ヘルプに行って戻る機敏さも落ちている。中距離シュートは時期に戻るだろう。ディフェンスもその内戻るかもしれない。しかし開始数試合の結果は思わしくない。

西カンファレンストップ組、疑わしきは罰せず

1. ゴリゴリスタイルってどうなったの?
スケジュールの難易度を計算した上で昨年リーグトップの守備力を誇ったグリズリーズは、ポゼッション平均失点で今シーズン24位と低迷中。先週末ウォリアーズに勝利を上げ士気を上げたかと思った矢先にペイサーズにボコボコにされてしまった結果だ。システムもメンバーもここ3年起用してきている削り合いのゴリゴリスタイルを保っているので、そう言った一貫性もあるのでとりあえず今のところは疑わしきは罰せずとしよう。しかし複数の主力選手の高年齢かは心配になる要因だ。テイショーン・プリンスはダイナミックなウィング選手を守備する時に遅さが際立ち、元々良いディフェンダーとはされていないザック・ランドルフがここまで攻守共にらしくないプレイを続けている。ペイサーズ戦でデイビッド・ウェストが何度も力強いドライブでランドルフのフットスピードの無さを露呈した。このチームのディフェンスを象徴するようなA+のコミュニケーションもこれまで見れていない。

ここ3年間相手に強いたターンオーバー率でリーグトップを誇ったグリズリーズは今シーズンの数値は割と平凡。グリズリーズは生き残るためだけにもターンオーバー戦を制さなければならない。対戦相手はここまでトランジションでグリズリーズを圧倒しており、ドタドタ歩く熊相手にスピードで対抗したくてたまらない状態だ。新しい主力メンバーを組み込むのはいつだって危険な賭けで、シュートが出来る選手がとにかく欲しいがために獲得したディフェンダーとしては衰退中のマイク・ミラーで債務を負っている。ニック・カレイテスも新戦力(しかしとても興味深い!)、新HCのデイブ・イェーガーはまだコスタ・クーフォスとエド・デイビスをどの様に起用するか探る必要がある。

結論:グリズリーズは今後良くなっていくだろうが、オフェンスを向上出来ない限り意味がない。イェーガーは攻撃面で多少面白みをもたらしているが、面白みだけでは先発陣のシュートミス連発とスペーシングの悪さをカバーする事は出来ない。しばらく静観してみよう。

NATHANIEL S. BUTLER/NBAE/GETTY IMAGES
NATHANIEL S. BUTLER/NBAE/GETTY IMAGES

2. スパーズのショットセレクションがちょっと微妙
スパーズはFG数に対するフリースロー率で最下位につけており、スリー大好きなこのチームがニックスとシクサーズとの連戦で56本ものスリーを打った後にも関わらずスリー試投数でわずか19位。この連戦のスリー連発が序盤でオーバーリアクションする危険性を強調している。

しかしそれでも、フリースロー不足、非ターンオーバー不足、オフェンスリバウンド不足、スリー不足はこれだけ良いチームにとっても危険なサインだ。問題の一部はローテーションが原因だろう。マット・ボナーがまだプレイしておらず、ためらいも無く打つギャリー・ニールの代わりにボールハンドリング・タイプのマルコ・ベリネリを獲得した。クワイ・レナードは自身のより大きな役割にゆっくりと転換中で、まだドライブやピック&ロール時に早めにジャンプシュートを打ってしまう癖が抜けていない。グレッグ・ポポビッチはレナードとティアゴ・スプリッターの代わりにユーロバスケットでの活躍を受けてシュート多発するようになったボーリス・ディアウとベリネリを先発させる偏屈さを日曜の試合で見せた。恐らくシーズン序盤恒例のポポさん実験タイムだろう。

結論:まだシーズン序盤だし7勝1敗の成績を残しており、ポゼッション平均得点でも7位につけている。システムも代わっていないのでこれまで通りのシュートが打てるようにデザインされている。スパーズを疑うのは危険すぎる。

ベンチ補強で優勝候補?

1. さよならサム・ヤング&D.J.オーガスティン
ペイサーズのベンチは予想されていた程とても良いという訳ではない。ポール・ジョージ又はロイ・ヒバート(もしくは両方)がベンチに下がった時の得失点差は未だにマイナスで、控えビッグマンコンビのルイス・スコラとイアン・マヒンミはここまでマイナス5だ。

しかしそれらはかろうじてマイナスなだけで、ジョージ・ヒルの一時的な離脱がC.J.ワトソンを先発に回す状況を作っている。ワトソンはペイサーズにとって新しいレベルの安定感をもたらしており、ワトソンとランス・スティーブンソンの組み合わせが有効なのは今後にとってプラスになるだろう。フランク・ボーゲルHCは以前からベンチ陣を投入する際に先発からはスティーブンソンを残す事が多いからだ。ボーゲルは既にずる賢いスコラを起用する事に楽しみを覚え始めており、チームの全体的な層の厚さは今後先発とベンチメンバーのあらゆる組み合わせを可能とする。どう見ても良い方向に進んでおり、更にダニー・グレインジャーも待ち構えている。

2. 皆にキウィをあげよう!
サンダーの若い衆が最近調子が良い。スティーブン・アダムスは日曜日に元に戻るまで2試合連続で良い結果を残していた。そしてアダムズ、ジェレミー・ラム、ニック・コリソンのベンチトリオは今シーズン100ポゼッション平均で108.3得点もあげている(109.5失点もあげているけどそこは目をつぶろう!)。ラムはシュートが良く、日曜のウィザード戦でのカムバックで重要なスリーを何本か決めている。

サンダーの先発センター(当時はケンドリック・パーキンズ)がオールスター級とは言い難いのもあって、アダムズが特に興味深い。アダムズは全てをうまくこなしていると言う訳でもなく、ボールを持った時に消極的でぎこちない面も見せている。しかし良いポジションを取るタイミングに長けていて、オフェンシブリバウンドにとても強い。そして両手での柔らかいフックショットを打つ事が出来る。

結論:彼らはまだ若く、すぐ事態は悪化する可能性もある。しかしサンダーが突然層が薄いとは言えなくなってきた。

好きな事嫌いな事10選

1. ケビン・ラブからコーリー・ブリュワーへ
世界屈指のアウトレットパサーと、リーグ随一のさっさとディフェンスをやめてオフェンスに切り替え得点機会を求めるミサイルの様な選手をペアリングするとこうなる。SportVUのカメラにラブからブリュワーへの50フィート以上あるパスを全てトラッキングしてもらいたい。なんならこのペアに良いニックネームが必要だ、「ラブ・コネクション」より良い奴が良い。ブリュワーボム?ラブロフト?俺こういうの全然駄目なんだわ。皆助けて。

レイカーズ戦でのラブからブリュワーへの爆弾投機は存在しうるブログのほとんどに掲載されたけど、これほぼ前試合で行われてるんだ:

 

2. エリック・ブレッドソーの筋肉誇示
ファウルされながらアンド1を決めた選手なんかがたまに筋肉をアピールする事があるんだけど、ハイハイって気持ちになるんだ。でもブレッドソーがやった時は、ただ頷いて、受け止めて、恐怖を抑制して、先に進むようにしよう。

3. オムリ・キャスピのドリブルアタック
ロケッツはキャスピをアンダーサイズのパワーフォワードとして起用している。ピック&ロールでオープンになればスリーが打てるという考え方からなのだが、キャスピはそこまで良いスリーポイントシューターという訳ではない。そして動けるパワーフォワードならそういうオープンなスリーに対して一気に詰める事ができる。しかしキャスピはそういった相手よりも機敏さがあるため、得たスリーのチャンスがあまり良くないと判断したらドリブルで新たな局面を作る柔軟さを持っている。

 
4. ユタのスペーシング
いやあ、ツイッター上のユタファンがこの夏ジャズはタンクなんかしてないって言っていた時期が懐かしい。こんな歴史あるチームがそんな事するはずないだろう?長い間鎖でつなぎとめられていたジャズのベンチはチームを5割に道いて最後のプレイオフ枠を獲得するはずだ!

ジャズファンの皆さん、現実です。現実ですよジャズファンの皆さん。チームは0勝8敗でリーグ最下位のオフェンスです。なんで?じゃあとりあえずこの右コーナーからのジャマール・ティンズリーのドライブ時にどれだけスペーシングが無いかを見てみよう。

 

これが中距離シュートが打てないビッグマンを2人先発起用し、シュートが出来ないポイントガードがいて(ティンズリーは最近降格しジョン・ルーカス三世が先発起用、アップグレードとは言い難い)、追いたりチャード・ジェファーソンがいる結果です。15フィート以上のエリアではゴードン・ヘイワード位しか脅威ではない。長い一年になるよ。覚悟して、抽選の倍率を追いましょう。。

5. 止まらないデリック・ウィリアムズの衰退
ウルブスはウィリアムズの来シーズンオプションである$6.3ミリオンをピックアップした。ミッドレベル契約を使用出来なくなる事を意味しているのにだ。そして今ほとんど彼を起用していない。ラブとペコヴィッチがいる限りウィリアムズをスモールフォワードで起用しなくてはならず、その役割を果たすには機敏さ、ボールハンドリング、ジャンプシュート、パス視野が足りない。以前にも彼の乏しいアシスト数を取り上げた事があるが、ウィリアムズをじっくり観察しているとかなりの数のパスチャンスの損失を見る事が出来る。ゴール下でガラ空きのケビン・マーティンを見逃し無茶なシュートを打つ場面を見てみよう:

 

他フロント陣はここしばらくウィリアムズを観察し安く獲得するチャンスを伺っているが、今の所観察出来るような要素があまり無い。

6. ノーネクタイスタイル
バスケはだいたい騒ぐファンとトラッシュトーク炸裂させるアスリートが揃う汗臭いジムで行われる。だったらなんでコーチはそこまでフォーマルなファッションをする必要があるのだろうか?リック・エイドルマン、ケビン・マクヘイル、グレッグ・ポポビッチ、マイク・ブラウン等が最近はネクタイをしないスタイルを取り始めている、良い事だ。

7. プレイ中の「俺が悪かった」という意思表示
だいたいこの自分のミス(特にディフェンスで)を謝る意思表示には二通りある:手を上げるのと胸をポンポンと叩く仕草だ。だいたいこういうのは相手が得点した直後など、注意力が必要とされないような時に行われる。しかしたまにプレイ中にこの仕草が見れる事がある。例えばこのプレイではラムがゴール下にいるチームメイトを見逃した事に気付いた時に右手で謝っているのがわかる:

 

そしてこちらではポール・ミルサップがコーナーでオープンだったカルティエー・マーティンにパスを出さずシュートしてしまった事を指をさして謝っている。それでもシュート決めたけどね!

 

8. チャーリー・ビラヌエバ役のジージー・ディアトミ
ピストンズは昨シーズンアンドレ・ドラモンドの周りにポイントガードと3人のシューターを固める事で攻撃出来る事を発見した。ピック&ロールでドラモンドがレーンを走る事で守備を難しくさせていたのだ。そのラインナップでパワーフォワードをやっていたのはビラヌエバだったが、今シーズンチークスHCはどうやらディアトミをその役割に当てているようだ。このプレイでは、ウィル・バイナムとドラモンドがピック&ロールをしてる間にディアトミがミッドコート辺りまで出てくる事でヘルプディフェンダーもつられてミッドコートまで出てきてしまっているのがわかる:

 

ディアトミはここまでスリーを6本全て外してしまっており、先日のポートランド戦ではビラヌエバの代わりにベンチ降格してしまった。でも彼はシュート出来るんだよ!素早い選手ではないけど頭が良いしディフェンスもしっかりやる。ジージーを解放しろー!

9. ポートランドの瞬間ポストアップ
他のチームはあまりこれをガードで使わないのだが、ポートランドはショットクロックの早い段階からウェスリー・マシューズとニコラス・バトゥムでこのコーナーからポストへのカット戦術を使っている。

イリーガル・ディフェンスの取り締まりが緩くなってからここ10年位ポストからの得点は難しくなっているが、今でもポストアップは相手ディフェンスを変形させ注目を受ける事によって他所からの攻撃チャンスを生むためにとても有効だ。素早い切り込みとキャッチから瞬時のシュートを出来るようにデザインされていれば、多くの得点チャンスやファウルを誘う事が出来る。何も生まれそうになければ、すぐさま違う事をすれば良い訳で、このプレイではバトゥムが抑え込まれているエヴァン・フォルニエから逃れジョール・フリーランドのスクリーンを回って簡単なスリーを打てている事がわかる。

 

10. 「プラムドッグ」
普段は良いサンズの実況チームがマイルズ・プラムリーにこのあだ名を付けようとしている。もう少し良いの作れるよね?

4 コメント

    • 匿名さん、コメントありがとうございます。
      僕も翻訳していて勉強になったのでちょこちょこやろうと思いますー!

  1. ボリューム満点の記事でした。
    今年は戦力アップを狙って大きく動いたチームが失速して、
    全然ノーマークだったチームが好調ですよね。
    そんな中、ブルズは良い意味で影をひそめてると思いますw
    ヒートやペイサーズ等優勝候補にはしっかり負けて、
    今のところローズのコンディション以外では特に話題にならないですし。
    ただ、チームは徐々に成熟し始めているので、
    みんなが忘れた頃にイーストの上位に顔を出したいですね。

    • Rockさん、コメントありがとうございます。
      今年は色々動きがあって色んな意味で注目チームが多いですよね。
      ブルズはまだ準備期間な気がするので、
      周りが、あれいつのまにか強い!ってなってくれると嬉しいですw

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.