ブーザーのアムネスティを受け彼について何を書こうか悩んでいたところ、ブルズ公式にサム・スミス御大の素晴らしい記事がアップされていたのでそれを翻訳するのが一番良いかなと思ってそうしました。長年ブルズを間近で見続け愛し続けて来たスミス氏から見たブーザー論です。
彼のイメージを我々ファンが作り上げ、それに満たないから非難してしまったというのはほとんどの人が思い当たるのではないかと思います、もちろん自分を含めて。たまに見る自分の想像しているような活躍を見せてくれたブーザーの評価基準をそこに置いてしまっていたなとはずっと感じていました。2013-14は特にそれを感じていました。しかしサラリーに見合わないというのは事実なので、アムネスティという道は正しかったと思います。
ありがとう、カルロス・ブーザー。
補足:とても良い文章だったのですが僕の訳によって多少それが失われているかもしれません、すみません。
元記事:Bulls did well by having Carlos Boozer by Sam Smith
ブーザーがブルズに来てから、彼は他のどのブルズ選手よりも先発出場している。4シーズン中2シーズンしかプレイしていないデリック・ローズを除いて最も高い平均得点を記録し、ジョアキム・ノアを除いて最も高い平均リバウンドも記録した。シュート率ではノアと同率トップの49%という数字を残した。フリースロー成功数ではノアに次いで2位だが、ノアに比べて平均出場時間が約5分ほど少ない中でのその記録だ。ノアはパスの上手いスターセンターでここ4年間平均3.7アシストを記録しているが、ブーザーも平均2アシスト以上記録していた。
火曜日、ブルズはアムネスティ条項を行使しブーザーの放出が決定した。これからウェイヴァー期間に入り、最も高い提示額を出したチームが彼を獲得する事が出来る。そしてその金額と$16.8Mの差分を来季ブルズはブーザーに支払う事に鳴る。提示出来るのはサラリーキャップに空きのあるチームに限られている。もしどのチームも提示しなかった場合、ブーザーはFAとなり自ら移籍先を決める事が出来る。
ブルズを去るにあたって、彼の4年間の功績は誉め称えられるべきものである。そして彼を非難し続けた一部の人達は少し謝罪をしてもいいくらいなのかもしれない。
ブーザーはただ言われた事やっただけなのだ。ひょっとしたらそれ以上にやってくれたのかもしれない。
ユタ・ジャズ在籍時代は常に健康状態とスタミナを疑問視されていたブーザーだが、ブルズ時代では2010年のトレーニングキャンプ中の怪我で数試合欠場した以外はほとんと鉄人のような安定感だった。
ブーザーは試合終盤をディフェンスがより上手いタージ・ギブソンにプレイタイムを奪われながらも、チームメイトとしても非常に協力的なままでいた。文句を言う事はほとんど無く、ほとんどの元オールスター選手なら同じ状況を良く受け止めず内部問題へと発達していた可能性も高い。
ブーザーは2010年にブルズが欲していたビッグゲームで頼れる得点ゲッターではなかった。しかし彼は自分がそういう選手だとは一度も言っていない。恐らくあの夏に市場に出ていたクリス・ボッシュとデイビッド・リーどちらが来てもブルズの成績はあまり変わらなかっただろう。
ユタにいた頃と同様に、ブーザーはカール・マローンになれなかった事で非難を浴びた。彼が自らそれを主張していた訳ではなかったが、ローポストで20得点10リバウンド出来るビッグマンとして売り出されていた。
彼はデューク大出身のアンダーサイズなパワーフォワードとして2002年のドラフトで2巡目指名された。スカウトは彼がNBAのより大きい選手達と渡り合えるかどうかを懸念していた。
しかしブーザーは当時アップテンポな西カンファレンスでオールスター級、そしてUSA代表級までレベルを上げて行った。ユタではシュート力のあるビッグマンであるメメット・オカーがいた為、コートスペースが上手く広げられていた。トム・シボドー新HC率いるブルズではよりペースの遅い熟考されたオフェンスで、ユタのビッグマンほどシュート力の無いインサイドは混み合い、ドライブを仕掛けるデリック・ローズはユタ時代のチームメイトだったデロン・ウィリアムズほどのスリーポイントレンジは持ち合わせていなかった。
それでもブーザーは言い訳をする事無く、自分が出来る事に時間を費やした。そこで頻繁に使用されたのが前を向いてジャンプシュートを打つプレイスタイルだ。
ボッシュやリーも同様のプレイスタイルだったが、シカゴはそういったプレイスタイルは予想していなかった。そしてブーザーはファン達の高い期待に苦しめられた。ブーザーはジャズ時代、キャブス時代、大学時代でもディフェンスに関してはあまり期待されていなかった。しかしディフェンスでの遅さや時に感じられたディフェンスへの興味の無さが、それを求めていたファンとメディアの非難の的となってしまった。ブーザーはもっと良いディフェンダーでありそうに見えるのだ。しかし実際はそうではなく、ブルズに来る以前からそうではなかった。
ファンはデニス・ロッドマンのように観客席に飛び込みボールを追いかけるような派手な選手を好きになりやすい。ブーザーはどちらかというと地味な職人気質で、ジャンプシュートを決めてリバウンドをするという自分に出来る事をただただ実行した。ブルズでの4年間で平均30分の出場時間で15.5得点9リバウンドを記録した。ユタで記録していた平均20/10シーズンは平均35分出場しブルズで打っていたよりも2,3本シュート試数が多い時だった。
ブルズは2010年の夏にレブロン・ジェームズとドウェイン・ウェイドを獲得する事を夢見ていた。しかしそれはブーザーとロールプレイヤー数人に変わった。それでもブルズはデリック・ローズの素晴らしい活躍により次の2シーズンをリーグトップの成績で終えた。ブーザーは大スターでは無かったがレギュラーとして安定した活躍をもたらし、ブルズは2010年にカンファレンスファイナルまで進み、2011年にもローズが怪我するまではそこまでは進むだろうとされていた。
しかしその後、ローズの長期離脱とチームがプレイオフでなかなか勝ち進めない苛立ちからブーザーは常にファンの非難の的となってしまった。確かに彼はFAで獲得したサラリーに見合うようなリーグ屈指の選手では無かった。しかしチームの気前の良さを選手のせいにするのはどうなのだろう?この夏に契約したゴードン・ヘイワード、チャンドラー・パーソンズ、エイブリー・ブラッドリー辺りの評価があと数年でどうなるか注目だ。これらは全てFAシステムの代償であり、オファーされた契約をサインした選手のせいではない。
他の選手より多くのサラリーを貰っているからといって突然その選手達より上手くなる訳ではない。
今シーズンはブーザーにとって特に厳しいものだった。常にメディアからシーズン後にアムネスティされる可能性について質問され続け、最後にはホームでプレイオフ敗退した際にブーイングさえ浴びた。
ブーザーはとてもプライドの高い男で、それを表に出しチーム内分裂を引き起こす事はなかったが、確実に傷ついたはずだ。来シーズンのブーザーは今シーズンよりも優れた選手となるだろう。既にカール・マローン等とコンタクトを取り、この夏のトレーニングを開始しているという話を聞いた。残留する選手達に対するFA市場が高騰している今、来オフにブーザーがまた高額契約を結ぶ可能性も充分にある。来シーズン体をしっかりと作り込みいいシーズンを送るのを想像するのは容易い。
しかしそれでもこれはブルズが進むべき道だったのだ。
何事にもタイミングという物は大事だが、スポーツでも当然それは同じだ。タージ・ギブソンがブーザーの見習いとして勉強する期間は作シーズンで終わった。しかし偶然にもパウ・ガソルをFAで獲得した事でそれは変わらないかもしれない。ギブソンはシーズン開幕をまたもやシックスマンとして迎えるかもしれない。しかしガソルとジョアキム・ノアと3人強力体制を取る事は確実で、シーズンの進み方によっては先発と試合終盤のラインナップで誰が出ているかはノアでさえ保証されていない状態だ。
そういった状況からして、ブーザーのブルズでの任期が終わる事は必要不可欠だった。そして更にはブルズはスペインのニコラ・ミロティッチというタイプは違えどもう1人パワーフォワードを補強した。ほとんどの試合の第4Qでギブソンがプレイしていた事から、ある意味では昨シーズンのブーザーは控えに回ったと言ってもいい。ブーザーはそれについてほとんど文句を言う事は無く、自分の成功よりもチームの成功を優先した。それに関しては当然の事であるべきなのかもしれないが、ブルズはブーザーに借りを作った形になる。多くの選手はそういった態度を取る事ができないのだ。
あんな大金を稼いでいるのだから文句なんか言うべきではないと決めつけるのは簡単だ。しかしどんな仕事であれ、社員や役員が降格させられた時に文句を言わず問題にしない職場など稀だ。
ブルズはブーザーがチームにいた4年間に行われた試合の3分2を勝利した。プレイオフでは17勝22敗で第1ラウンド敗退を2度経験した。その内の1つはリーグトップの成績を残しながらもローズとノアの怪我で敗退したものだったが、ファンの多くはプレイオフでの成績の苛立ちをブーザーに向けた。
確かにブーザーの守備は酷くプレイオフでの活躍はまちまちだった。ブーザーを涙しながら見送る人はほとんどいないだろう。それでもブーザーはプロフェッショナルで有り続け、コンスタントに試合に出場しプレイオフ戦を一度も欠場せず、非難の的になりながらも協力的なチームメイトとして熱心に周りを鼓舞し続け、常に二桁得点し平均10リバウンド近くを記録し続けた。ブルズはカルロス・ブーザーのいた4年間よりも酷い時期を送る可能性はいくらでもある。送ってきたもある。ブルズのFA市場での歴史を振り返ってみると、ブーザーは成功の部類に属するのだ。彼の今後の成功を祈る。
[…] 訳しましたので、こちらも合わせてどうぞ。 http://bfij.net/2014/07/16/carlos-boozer-sam-smith/ […]
ベンチに居ても、コートに出て居ても大声を出してチームを鼓舞する姿が今でも思い出せます。わざとではないにせよ興奮して審判を殴ってしまった時は笑ってしまいましたが笑 チームを一番に発奮させてたのはノアかもしれませんが彼もそれに負けないくらいチームにエネルギーを与えていたように僕は感じます。いなくなってしまうのは寂しいですが、次に所属するチームでも元気な姿を見せてほしいですm(_ _)m
T.Nさん、コメントありがとうございます。
ベンチからもどんどん声を出してくれる選手でしたよね。試合中ブーザーにマイクが付いてる時とかはいつも面白かったです。あの審判殴っちゃったのは笑わせてもらいました(笑)。審判ちょっとかわいそうでしたが本人も失笑していたのできっと大丈夫でしょう。
スタッツ上ではサラリーに見合う活躍では無かったかもしれないですが、スタッツには現れない活躍・貢献をしてくれていたと思っています。ブーザーは勿論、デンさん含め、ブルズに在籍した選手達には優勝のチャンスのあるチームで、ライバルとして対戦したいです!
KSKさん、コメントありがとうございます。
選手の価値はスタッツだけではないですからね、確実にブルズに良い物をもたらしてくれていたと思います。来季ブーザーと対戦するのが楽しみです。新天地でも頑張ってもらいたいですね。
どんな仕事であれ、社員が~のところにとても共感です。
今年一度だけ不満を露にしたことがありましたが、本当に黙々と己の仕事をこなしたブーザー。
他人の幻想に耐えながらの4年、本当にお疲れ様でした。
彼が今後行きつく先はまだ分かりませんが、
まだまだやれるはず。
彼のプレイスタイルではなく、外部要因があまりにも影響しすぎた。
よそ行っても応援してます。
ブルズファンが言うのもなんですが、凱旋試合で吼えてほしいです。
さいたマンさん、コメントありがとうございます。
あの一度が結構多くの人の印象に残ってしまった感じがありますよね。これまで誰もシボドーのやり方に文句をを表に出す人がいなかっただけに。しかし基本的には常に前向きな発言をするタイプで、いつもチームメイトをたてていたように思います。
凱旋試合で「AND 1!!」って最初にいった時に歓声があがると思っています(笑)。
翻訳お疲れ様でした。
さすがご意見番のスミス氏ですね。僕も含めて多くのブルズクラスタが、バスケットに背を向けた古典的なポストプレイをブーザーに求めていました。正対して、ジャンパーを外すブーザーにイライラしていた気がします。もっとインサイドを攻めろよ‼︎と。
でも、こういった事情があり、なおかつ物足りないながらも安定した成績を残したブーザーには感謝の言葉しかありません。
他のチームに行っても活躍してほしい次第です。あ、でもブルズ戦ではレイアップ外してくださいw
kirk12さん、コメントありがとうございます。
僕もいつももっとインサイドいけ!って言っていましたね。実際行ってた試合でいい結果のこしてた様なきもするので、あながちなくはないはずですが、サム・スミス氏の言ってる事はごもっともだと思います。作り上げられたイメージの先行みたいなのはあったと思います。それが良いのか悪いのかは今でもよくわかりませんが。。
とにかくこの4年間の感謝の気持ちはぶれません。ブルズ戦は是非レイアップ外してください。
ブーザーは、頑張ってくれたと思います。
スコアリングが出来るPFWはブルズの数年に渡る懸案事項だった時期だったので
ベストではなかったかもしれないが、よりベターな選択だったと今でも思います。
ノア、デン、ブーザーと並んだフロントコートは迫力、威圧感満点でした(笑)
ただ独力でアドバンテージをもたらせるタイプではなかった事と生え抜きの多い
メンバー構成で、ファンからしたら「外様」のイメージとルックスから受ける
イメージ程のインパクトが希薄だった事から、物足りなさを感じた人も居たのかもしれません。
自分は隔年毎に活躍するイメージがあって、昨季は良かったから今季は今一かも・・・
とか、キャリアの割にケアレスミスが多くTOから試合を難しい局面にするシーンが
多々あったので、しっかりせい! と思った事もありますが、ブルズにとても馴染んで
いたし、彼に救われた事も数知れずで時が経てばブーザーは立派なOB、レジェンドの1人に
なるのだと思います。
年棒と今季の活躍具合からトレードが成立するイメージを持てなかったけれど
それでもアムネスティは心情的に抵抗があります。
今季は今一だったから来季は活躍する気がするので希望に沿った新天地でまた雄叫びを
あげてプレーして欲しいですね。
ただ、対戦する時だけは、タージがチンチンにする予定ですけど(笑) お疲れ様でした。
T-コッチさん、コメントありがとうございます。
ケアレスなターンオーバーやリバウンド時に後ろから押してファウルをとられるみたいなシーンは多かったですね。活躍はしっかりしているのですが、それと同じくらいストレスフルなプレイも多かったのがイメージ的に不利だったのかなとも思います。
なんにせよ、来季は対戦相手としてあの雄叫びを聞きたいと思います。その際はタージにがっつりと競り勝ってもらいましょう!
わかっていた事でしたが、いざ実現すると、かなり寂しいもんですね、、ブーザーには、イライラする事もありましたが、憎めないキャラでした(^^)笑次ユナイテッドセンターに来る時は、是非歓迎してほしいです!!!!!
H-38さん、コメントありがとうございます。
いざその時を迎えると寂しいものですよね。
かれの凱旋試合は歓声で迎えられると思います。そして最初に叫んだ時に拍手がきっとおきます(笑)
確かにブーザーが起用方法に文句を聞いたことがなかったと思います。ハミルトンは好きだったんですけど怪我が多過ぎだったので当たり前ですが起用方法でも文句があったみたいですし。ディフェンスの良いブルズだからこそ短所が目立ちましたね。いつだか週間MVP(確かあったよな?)の時もありましたしオフェンスの調子が良い時をもっと見たかったです。ローズ、ハミルトン、デン、ブーザー、ノア、素晴らしいベンチメンバーをもっと見たかったなと思います。
kaimanさん、コメントありがとうございます。
ありましたね週間MVP。2012-13の1月にとっています。個人的にはあのシーズンのブーザーが一番良い意味で印象に残っています。オフェンスを確実に牽引してくれていたなと感じました。
ローズ、ハミルトン、デン、ブーザー、ノアのラインナップはもっと見てみたかったですね。それぞれの怪我でほとんどこの5人同時に見る事ができなかったのは残念でした。
僕はブーザー大好きでした、、、給料多すぎるとは思ってましたが、、、
憎きヒートの連勝を止めたのもブーザーの大活躍があったからこそでしたよね!他の選手は離脱が多い中、常にチームを引っ張ってくれてたと思います!デンは憎きヒートにいっちゃいましたが、ブーザーは是非ウエストの強豪チームにでもいって活躍してもらいたいです!
ガナーズさん、コメントありがとうございます。
あの連勝を止めた試合のブーザーは良かったですね!今でもよく覚えています。
ブーザーの新天地は気になりますね。もうじき何かしら発表されるはずですのでまだまだ注目ですね。
MAXもらって2シーズンで10試合しか出場しないローズをしり目に言っていいことじゃないよなぁ
サラリーもらいすぎとか
両膝にシーズン絶望クラスの大けがしたローズがいよいよ叩かれるシーズンかな
今まではデンやブーザーに泥をかぶせてきたけど
でもシカゴファンは低レベルだから、今度は外様のガソルあたりをネチネチ責めそうw
匿名さん、コメントありがとうございます。
そうですか。
ブーザーいなくなってさみしい