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NBA 2023年のトレードデッドライン情報まとめ トレードの詳細

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Kevin Durant (Brooklyn Nets), Mikal Bridges (Phoenix Suns)
Getty Images

毎年2月のこの時期になると、トレードの噂が増え始める。トレードデッドライン(トレード期限)に向けて、各チームが補強や立て直しのために大きく動くのだ。

昨季は15件のトレードがあり、合計56人の選手と24個の指名権が動いた。今季はカイリー・アービング、ラッセル・ウェストブルック、ケビン・デュラントなど多くのスター選手が動いた。ここでは期限付近で起きたトレードをまとめていく。

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2023年のNBAのトレードデッドライン(トレード期限)はいつ?

NBA 2022-2023シーズンのトレードデッドラインは日本時間2月10日 金曜 午前5時(米国東部時間9日 木曜 午後3時)。

NBAのトレード期限とは?

各チームが契約下にある選手を他チームにトレードすることができる期限日のこと。当該シーズン中のトレードはこの期限を最後にできなくなる。


2023年の期限日付近で起きたトレード(随時更新)

4チーム間のトレードでサンズがネッツのケビン・デュラントを獲得(現地2月9日成立)

サンズ獲得:

  • ケビン・デュラント
  • TJ・ウォーレン

バックス獲得:

  • ジェイ・クラウダー

ネッツ獲得:

  • ミケル・ブリッジズ
  • キャメロン・ジョンソン
  • 2023年1巡目指名権(PHX)
  • 2025年1巡目指名権(PHX)
  • 2027年1巡目指名権(PHX)
  • 2029年1巡目指名権(PHX)
  • 2028年1巡目指名権交換権利(PHX)
  • 2028年2巡目指名権(MIL)
  • 2029年2巡目指名権(MIL)
  • フアン・パブロ・バーレイの交渉権

ペイサーズ獲得:

  • ジョーダン・ウォーラ
  • サージ・イバカ
  • ジョージ・ヒル
  • 2巡目指名権 x 3(MIL)
  • 金銭

別々に報じられていたトレードが、最終的に4チーム間のトレードとして発表された。カイリー・アービングをトレードしたばかりのネッツが、今度はケビン・デュラントをサンズへトレード。現在右ひざの内側側副靱帯の負傷で離脱中のデュラントだが、復帰すればクリス・ポール、デビン・ブッカー、ディアンドレ・エイトンとともに強力ラインナップを組むこととなる。サンズとの話し合いの末に、今季はずっと欠場が続いていたジェイ・クラウダーだが、今回のトレードでバックスへ。ペイサーズはこの動きに合わせてゴガ・ビタゼ、ジェームズ・ジョンソン、テリー・テイラーの契約を解除した。

関連:【NBAトレード評価】デュラントのネッツからサンズへのトレードをどう見るか


ブレイザーズが76ersからマティース・サイブルを獲得、ジョシュ・ハートはニックスへ(現地2月9日成立)

ブレイザーズ獲得:

  • マティース・サイブル
  • キャム・レディッシュ
  • ライアン・アーチディアコノ
  • 2023年1巡目指名権(1~14位プロテクト付)
  • アンテ・トミッチの交渉権

ニックス獲得:

  • ジョシュ・ハート
  • ボーヤン・ドゥイェビッチの交渉権
  • ダニエル・ディエスの交渉権

76ers獲得:

  • ジェイレン・マクダニエルズ
  • 2024年2巡目指名権(CHA)
  • 2029年2巡目指名権(POR)

ホーネッツ獲得:

  • スビ・ミハイリュク
  • 2023年2巡目指名権(PHIからATL/CHA/BKNの高い方)
  • 2027年2巡目指名権(PORからPOR/DENの高い方)

ブレイザーズがウィングディフェンダーのサイブルと、トム・シボドーHCのローテーションから外れてしまっていたレデュッシュを獲得。ハートはビラノバ大学時代にチームメイトだったジェイレン・ブランソンと再び一緒にプレイできることとなる。76ersはジェイレン・マクダニエルズを獲得。マクダニエルズは今季平均10.6得点を記録しており、大きく成長を見せている選手の1人。指名権の詳細確認中。


クリッパーズとロケッツとグリズリーズが三角トレード、エリック・ゴードンがクリッパーズへ(現地2月9日成立)

クリッパーズ獲得:

  • エリック・ゴードン
  • 2巡目指名権 x 3(MEM)

ロケッツ獲得:

  • ジョン・ウォール
  • ダニー・グリーン
  • 2023年1巡目指名権交換権利(LAL/OKCの低い方、1~6位プロテクト付)

グリズリーズ獲得:

  • ルーク・ケナード
  • 将来の2巡目指名権交換権利

ゴードンがキャリアをスタートさせたクリッパーズに帰還。グリズリーズは今季3P成功率44.7%を誇るシューターのケナードを獲得。ウォールは契約解除されフリーエージェントとなる模様で、グリーンもバイアウト候補の1人として報じられている。


ウォリアーズがブレイザーズからギャリー・ペイトン二世を獲得、ジェームズ・ワイズマンはブレイザーズへ(現地2月9日成立)

ウォリアーズ獲得:

  • ギャリー・ペイトン二世
  • 2026年2巡目指名権(ATL)
  • 2028年2巡目指名権(ATL)

ブレイザーズ獲得:

  • ケビン・ノックス
  • 2026年2巡目指名権(GSWからMEM経由、31~42位プロテクト付)
  • 2028年2巡目指名権(GSW)
  • 2巡目指名権 x 3(ATL)

ピストンズ獲得:

  • ジェームズ・ワイズマン

ホークス獲得:

  • サディック・ベイ

別で報じられていたが、4チーム間でのトレードとして正式に発表。2020年の全体2位でウォリアーズが指名したワイズマンだが、ケガなどもあってあまりプレイすることができておらず、トレードの噂が絶えない選手となっていた。若手の多いピストンズでキャリアの立て直しを図る。そしてオフシーズンにブレイザーズに移籍したペイトン二世がウォリアーズに復帰へ。

関連:【NBAトレード評価】ワイズマンらを巡るウォリアーズら4チームのトレードをどう見るか


サンダーとサンズがトレード、ダリオ・シャリッチがサンダーへ(現地2月9日成立)

サンダー獲得:

  • ダリオ・シャリッチ
  • 2029年2巡目指名権
  • 金銭

サンズ獲得:

  • ダリアス・ベイズリー

両選手ともそれぞれのチームで以前よりも役割が減っていた。


ホークスがジャスティン・ホリデーとフランク・カミンスキーをロケッツにトレード(現地2月9日成立)

ロケッツ獲得:

  • ジャスティン・ホリデー
  • フランク・カミンスキー
  • 2024年2巡目指名権(OKC経由)
  • 2025年2巡目指名権(OKC経由)

ホークス獲得:

  • ギャリソン・マシューズ
  • ブルーノ・フェルナンド

ホークスとロケッツが控え選手を交換。


4チーム間のトレードでレイカーズがモー・バンバを獲得、ナゲッツのボーンズ・ハイランドがクリッパーズへ(現地2月9日成立)

レイカーズ獲得:

  • モー・バンバ
  • デイボン・リード
  • 2024年2巡目指名権(LAC)
  • 2025年2巡目指名権(LAC)

マジック獲得:

  • パトリック・ベバリー
  • 2024年2巡目指名権(DEN)
  • 金銭(LAL)

クリッパーズ獲得:

  • ボーンズ・ハイランド

ナゲッツ獲得:

  • トーマス・ブライアント

それぞれ別で報じられていたトレードが、4チーム間のトレードとして発表。インサイドでの守備が期待できるセンターのバンバをレイカーズが獲得。レイカーズは別のトレードでジャレッド・バンダービルトも獲得しており、インサイドが大幅に強化された。そして、2021年のルーキーとして活躍しながらも、今季はプレイタイムをなかなか得ることができずローテーション落ちしていたハイランドが、ガードを必要としていたクリッパーズに移籍。

アンソニー・デイビス不在時に活躍を見せたセンターのトーマス・ブライアントだが、デイビス復帰後は出場時間が落ちていた。このトレードでナゲッツへ移籍し、ニコラ・ヨキッチの控えを務めることとなる。

ベバリーはマジックにバイアウトされる方向で動いている。


クリッパーズがホーネッツとのトレードでメイソン・プラムリーを獲得(現地2月9日成立)

クリッパーズ獲得:

  • メイソン・プラムリー

ホーネッツ獲得:

  • レジー・ジャクソン
  • 2028年2巡目指名権

インサイドの補強を必要としていたクリッパーズがベテランセンターのプラムリーを獲得。ガードも補強ポイントだったが、別のトレードでボーンズ・ハイランドを獲得したことで、レジー・ジャクソンをトレードに出す形となった。レジー・ジャクソンはホーネッツとバイアウトに合意する模様。


ペリカンズがスパーズのジョシュ・リチャードソンを獲得(現地2月9日成立)

ペリカンズ獲得:

  • ジョシュ・リチャードソン

スパーズ獲得:

  • デボンテ・グラハム
  • 2024年2巡目指名権
  • 2026年2巡目指名権
  • 2028年2巡目指名権
  • 2029年2巡目指名権

ローテーション落ちしていたグラハムと複数の2巡目指名権の代わりに、今季で契約が切れるリチャードソンを獲得したペリカンズ。ザイオン・ウィリアムソンの契約が来季から大幅に上昇するのに合わせて、グラハムを動かした形だ。


セルティックスがサンダーとのトレードでマイク・マスカーラを獲得(現地2月9日成立)

セルティックス獲得:

  • マイク・マスカーラ

サンダー獲得:

  • ジャスティン・ジャクソン
  • 2023年2巡目指名権
  • 2029年2巡目指名権

アル・ホーフォードとロバート・ウィリアムズ三世のバックアップを求めていたセルティックスが、サンダーからマスカーラを獲得。今季のマスカーラは平均6.2得点、3P成功率39.4%を記録している。


ラプターズがスパーズとのトレードでヤコブ・パートルを獲得(現地2月8日に報道、9日に成立)

ラプターズ獲得:

  • ヤコブ・パートル

スパーズ獲得:

  • ケム・バーチ
  • 2024年1巡目指名権(1~6位プロテクト付)
  • 2023年2巡目指名権
  • 2025年2巡目指名権

パートルが2016年のNBAドラフトで指名を受けた古巣ラプターズに復帰。ラプターズはセンターを必要としていた。2024年の1巡目指名権は2026年まで同じプロテクト付き。


レイカーズがティンバーウルブズとジャズとの三角トレードでディアンジェロ・ラッセルらを獲得(現地2月8日報道、9日成立)

レイカーズ獲得:

  • ディアンジェロ・ラッセル
  • マリーク・ビーズリー
  • ジャレッド・バンダービルト

ウルブズ獲得:

  • マイク・コンリーJr.
  • ニキール・アレクサンダー・ウォーカー
  • 2024年2巡目指名権(WASとMEMの低い方)
  • 2025年2巡目指名権(UTA)
  • 2026年2巡目指名権(UTA)

ジャズ獲得:

  • ラッセル・ウェストブルック
  • フアン・トスカノ・アンダーソン
  • デイミアン・ジョーンズ
  • 2027年1巡目指名権(LAL 1~4位プロテクト付)

3チームによる大型トレードが最終調整段階に入ったとエイドリアン・ウォジナロウスキー記者とシャムズ・シャラニア記者が報じている。レイカーズは大幅に戦力アップを狙う。噂ではウェストブルックはジャズからバイアウトされ、フリーエージェントになる可能性もあるとのこと。その場合、クリッパーズやブルズが興味を示しているとのこと。

ジャズが獲得するレイカーズの2027年1巡目指名権は、1~4位だった場合は2027年2巡目指名権が送られる。

関連:【NBAトレード評価】ウェストブルックを巡るレイカーズとジャズとウルブズのトレードをどう見るか


ネッツがケスラー・エドワーズをキングスにトレード(現地2月7日)

キングス獲得:

  • ケスラー・エドワーズ
  • 金銭

ネッツ獲得:

  • デイビッド・ミシノーの交渉権

ネッツはロスター枠を空け、サラリー総額を下げることに成功。ケスラー・エドワーズはカリフォルニア州出身で、故郷に近いチームへの移籍となる。デイビッド・ミシノーはフランス人選手で、現在イタリアリーグのナポリでプレイしている。


ヒートがデッドモンをスパーズにトレード(現地2月7日)

スパーズ獲得:

  • ドウェイン・デッドモン
  • 2028年2巡目指名権

ヒート獲得:

  • 金銭

ヒートはトレードで選手を獲得しなかったことで、ラグジュアリータックスラインを回避。ロスター枠が1つ空いたことで、これからさらに2対1、3対2といったトレードもしやすくなる。スパーズはドウェイン・デッドモンをリリースする可能性も。

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マーベリックスがカイリー・アービングを獲得(現地2月6日成立)

マーベリックス獲得:

  • カイリー・アービング
  • マーキーフ・モリス

ネッツ獲得:

  • スペンサー・ディンウィディー
  • ドリアン・フィニー・スミス
  • 2027年2巡目指名権
  • 2029年1巡目指名権
  • 2029年2巡目指名権

ブルックリン・ネッツとの延長契約の交渉で折り合いがつかず、トレードを要求したという報道がされていたカイリー・アービングを、ルカ・ドンチッチの横にもう1人スター選手を欲していたダラス・マーベリックスが獲得。スペンサー・ディンウィディーにとっては古巣への復帰となる。フィニー・スミスはサイズのあるウィングディフェンダーとしての活躍が期待される。

関連:アービングのマーベリックスへのトレードに対するNBA選手たちの反応


レイカーズがウィザーズから八村塁を獲得(現地1月23日)

レイカーズ獲得:

  • 八村塁

ウィザーズ獲得:

  • ケンドリック・ナン
  • 2023年2巡目指名権(CHI経由)
  • 2028年2巡目指名権交換権利
  • 2029年2巡目指名権

トレードの噂が強まっていたなかで、ワシントン・ウィザーズの八村塁のレイカーズへのトレードが成立。移籍後2試合はベンチからの出場だったものの、その後はスターターとしてレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスとともに出場している。

関連:八村塁のレイカーズデビューに見る4つの効果


セルティックスがノア・ボンレイをスパーズにトレード(現地1月5日)

セルティックス獲得:

  • 2024年2巡目指名権(プロテクト付き)

スパーズ獲得:

  • ノア・ボンレイ
  • 金銭

セルティックスがロスター枠を空けるためにノア・ボンレイをスパーズにトレード。スパーズはトレード成立のためにゴーギー・ジェンを契約解除(ウェイブ)しており、成立後にボンレイの契約も解除。その後、ジェンとは10日間契約を結んでいる。

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著者
大西玲央 Reo Onishi Photo

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。