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【コラム】by cdc Vol.1 – Booz Cruise

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「Booz Cruise -カルロス・ブーザー、実力の証明-」

Carlos Boozer

Carlos Boozer

今季、CHIのゲームのキーポイントに「Booz Cruise」という単語が見られるようになった。大意は「好調なブーザーの流れに乗れ」というところだろうか。CHIは2011年オフに5年$75Mの大型契約をカルロス・ブーザーと結んで今季で早3シーズン目。大きな期待を受けて大金を手にした選手がチームを牽引するのは当然のことであるかもしれない。しかしながら、最近目覚ましい活躍を見せているブーザーがゲームのキーポイントとなっていることは、過去2シーズンの彼のプレイぶりを見てきた者にとって新鮮な思いを持たざるを得ない出来事である。

前述の2011年オフはNBAの勢力図が大きく変わった節目であった。CHIは多くのチームがさらなる飛躍を求めて大物FAを獲得するように、インサイドでの活躍が望めるPF獲得を望んでいた。PFの大物選手アマレ・スタウドマイヤーは早々にNYK入りし、クリス・ボッシュもMIAでドウェイン・ウェイドと合流、レブロン・ジェームスを加えたBIG3を形成した。CHIは大物選手の動向が定まるや否や同じくFAであったブーザー獲得に動き、5年$75Mの大型契約をもって迎い入れた。

しかしその大きな期待は過去2シーズンにおいては裏切られたといっていいだろう。2011年シーズンは、シーズン直前に右手を骨折し、チームとの合流が遅れた。復帰後もUTA時代の平均得点19.5点を下回る17.5点と本来の得点力を発揮することができなかった。更にプレイオフにおいては、平均得点は12.6点にまで降下し、そのシーズンのMVPであるデリック・ローズの負担軽減どころか逆に足を引っ張る始末であった。肝心な時に働くことができず、イースタンカンファレンス・ファイナルの最終戦、敗退が決まった4Qのコートにはブーザーの姿はなかった。続く2012年シーズンは若干の改善がみられた。怪我がちな選手として不名誉な烙印を押されていたブーザーであったが、短縮シーズンであったという特殊な事情もあるものの66試合全ての試合に先発出場した。平均得点は更に下がって15点であったが、大黒柱ローズの不在を補い、チームの2シーズン連続のカンファレンス首位獲得に貢献した。しかしながら、ブーザーは再び鬼門プレイオフで失態を演じてしまう。ローズはPHIとの一回戦初戦でACL断裂でコートを去り、残されたメンバーの奮起が俟たれることとなった。だがCHIは2勝3敗で追い詰められ、第6戦に生き残りをかけて戦わねばならない状況におかれてしまう。その肝心な試合でブーザーは3点、FG1/11の大乱調に陥り、結局チームを窮地から救うことはできなかった。

大型契約に見合わぬ出来に対する批判、更には戦犯という声も聞こえてくるのも過去2シーズンを振り返れば当然であった。またチームにはオメーア・アシクやタージ・ギブソンなど有望な若手インサイド陣を抱えており、彼等の契約更新を優先させてブーザーはトレード、或いはアムネスティ条項を適用させてカットするといった噂まで流れ出した。しかしながらいま現在それらの批判は途絶えて聞かれなくなった。それはひとえに「Booz Cruise」の始まりがそれらを黙らせたといっていいだろう。

1月19日、BOS戦終了現在で、CHIは23勝15敗で東の4位に位置し、ブーザーはここまで全試合に出場して平均16.2点、10リバウンドの数字を残し、CHI入り以来初の平均ダブルダブルを記録している。またダブルダブルの回数では、リーグ4位タイの22回を誇り、イースタンカンファレンスではトップの数字である。ブーザーがダブルダブルを記録し尚且つ勝利した試合は13試合を数え、1月はBOS戦までの7勝のうち6試合でダブルダブルを達成してチームの勝利への貢献度が高まっていることが窺える。これまでトレードやカットの噂が後を絶たなかったが、ノアとのインサイドコンビは年々熟成され、過去2シーズンで二人が同時にダブルダブルを残したのは7回であった。しかし今季だけでその回数は既に10回にのぼり、ノアと共に強力なインサイドを形成している今、ブーザーを手放すのは愚の骨頂であろう。また直近のTOR戦ではCHI移籍後最多の36点を獲得し、BOS戦でシーズンハイの20リバウンドを奪い、ローズを欠く苦しいシーズンをゴール下から支えている。

ブーザーの3度目の正直、つまりCHI入り後3シーズン目の今季は真価を証明すべき時であるが、以上のようにその課題をここまでは着実に数字に残しチームの勝利に貢献している。この活躍を過去2シーズンを踏まえて見た時、CHIファンの歓喜が理解されるだろう。チームは依然ローズ不在の状態、加えて主力ルオル・デンの右脚ハムストリングの負傷で更に厳しい状況におかれるかもしれない。しかしこういう時だからこそ「Booz Cruise」に乗じて勢いを維持していきたい。そして鬼門プレイオフでその実力を証明し、戦犯の汚名を雪ぎ、「CHIにブーザーあり」というところを示してほしい。

cdc

8 Comments

  1. ROSE

    はじめまして
    毎日楽しみにブログ拝見してます。
    コラムがとても面白いです。
    ローズ復帰まで頑張ってほしいですね

    • BFiJ

      ROSEさんコメントありがとうございます!
      これまで試合記事の翻訳だけで機械的だったので、ブルズに詳しい方達にコラムを書いてもらうことにしてみました。気に入っていただけているようでとても嬉しいです。今後も楽しんで読んでいただけるよう頑張ります!

    • コラムへのコメントありがとうございます。
      巷では、ローズが帰ってくればパフォーマンスが落ちるかもといわれるブーザーですが、
      そんな出し惜しみをせずにPOの大一番でもやってくれることを期待したいです。

  2. forever23

    おお、cdcさんもコラムを!
    相変わらず文章力高くて感心します。
    お互いまたここでも交流していきましょう!

    • BFiJ

      ツイッターのブルズファン2大巨頭にお願いしてみました!
      良いコンテンツをありがとうございます。

    • Foreverさんのコラムに続いて参加させていただきました。
      ショートコラムのはずが書いてみると、それなりの分量になってしまいましたw。
      こちらでも普段は触れないようなネタをとりあげて情報を充実させていきたいですね。

  3. kenbbv

    初めまして。Twitterでお世話になっているKen_bbvです。
    BoozerはHalf Courtで機能する感じなので、今のBoozerの活躍はRoseが復帰したときに膝の負担を和らげる意味でもHalf Court O#を学習する意味でも必要だと思います。

    • コメントありがとうございます。
      ハーフコート主体のCHIにあっては、ブーザーの存在は大きいと思います。ローズ不在でこれまでナンバー2的な存在だったところからGo to guyとなり、重要度も増してます。ここまでのところは期待された役割をはたしてくれていますね。

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