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リーグ全体で起きているトレンドby ザック・ロウ氏【前編】

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リーグ全体で起きているトレンド by ザック・ロウ氏

以前トム・シボドーHCのインタビュー記事を翻訳した時に紹介したGrantlandのザック・ロウ氏の記事が面白かったので翻訳してみました。ブルズはほとんど出て来ませんが、今シーズン始まってからこの数試合で印象に残った事を考察されています。非常に長いのでとりあえず現状翻訳が終わった部分を前編として先に出しておきますね。残りも終わり次第後編として記事にします(アップしました)。
成績や数値は全て元記事が配信された11/12現在の物です。

元記事はこちらです:
Early Season NBA Trends | by Zach Lowe

シーズン序盤からいくつか周囲を驚かせるようなトレンドが見えて来ており、それらがこれからも続くかどうか、そして何がそれを起こしているかを考察出来る段階になってきた。ここではリーグ全体を通してチームやリーグレベルで起きている少し驚くようなトレンドをピックアプする。という訳で、予想出来た事(インディアナの守備力、デリック・ローズの錆び、マイク・マローンの守備システムを把握する事にてこずっているサクラメント、ヒューストンの止まらないフリースロー・パレードと中距離シュートへの嫌悪、ユタのひどいオフェンス、ゴールデンステートの守備向上、ダラスとポートランドのトップ5レベルの得点力)と個人レベルでの事(アル・ホーフォードの驚異的なブロック率、ジェフ・ティーグのアシスト、ドウェイン・ウェイドのポストゲームと中距離シュートの復活、パウ・ガソルの酷いシュート、エヴァン・ターナーの攻撃的なスタイル、ポール・ジョージの圧倒的なプレイ、ダーク・ノヴィツキーとザック・ランドルフのターンオーバー数増加、ラシャード・ルイスがプレイしてるという事実)は省く事になる。他にも怪我等でサンプルサイズが少ないもの等でトレンドと実際呼べるかどうか怪しかったものと、今後よりピックアップ出来そうな物(こう書いておけば「ここに出てこないチームでも嫌いじゃないよ!」という逃げ道になる)は省いている。

以上を抜いて残ったものは:

マイアミの守備が酷い

マイアミはポゼッション毎の平均失点でリーグ27位で、対戦チームは平均37%のスリーを決めている。もし、聞いた事があるな、と思ったのであればそれは昨シーズン最初の20試合でも似たような現象が起きていたからだ。マイアミはシーズン序盤からあの超積極的なディフェンスをする準備が出来ておらず、ヒートのトラップに対抗するボール回しを学習した対戦相手は上手く切り崩しオープンでのシュートを得ていた。しかしヒートも本当に必要な時は、リーグに恐れられる「もう一つのギア」に上げ対処していた。

しかし今シーズンは一つ違いがある。対戦相手はマイアミがコートのどこよりも守ると決めているバスケット近辺でヒートをボロボロにしている。ヒートの対戦相手はペイント内で66%のシュート率を誇っている。これはリーグでもワースト2の数字だ。昨シーズン序盤のマイアミはこのエリアでここまでやられる事はなかった。

では何が起きているのだろうか?色んな要素の積み重なりという感じだ。そしてそれは良くもあり、悪くもある。決定的な落ち度というものは無く、いかにヒートがエリック・スポルストラHCの言う「戦士」レベルのエネルギーを出す事が出来るかが鍵となる。そして先週の木曜日に行われたクリッパーズとの試合後半でマイアミは正にそれをやりホームで勝利をあげている。

ペリメーターでの守備はスクリーンの処理がしっかりと行えておらず、トランジションでもやられ放題だ、しかも笑われ者になる位のレベルで。Synergy Sportsによるとヒートはトランジションでポゼッション平均1.28失点しており、リーグでも最下位。信じられないかもしれないが、ウェイドはシュートを外した後にディフェンスに戻らず意気消沈したり、顔を覆ったり、審判ともめたりしている。びっくりだね!ヒートの一歩目は自身のスタンダードにも達していない遅さで、特にマリオ・チャルマーズがスティールするためにギャンブルし、失敗した時に全く逆方向に向かってしまっている現象が多々起きている。そしてフロアバランスに気にかける事を怠り、以下のような状況が生まれてしまっている。

これも。

ここまでかなり酷い状態だが、マイアミはそれでも合格点を貰えるような経歴がある。

サンズが強かったらどうする?

まだシーズンも序盤で、フェニックス最初の7試合中2試合くらいしか確実なプレイオフチームとの対戦がなかったという優しいスケジュールもある。しかしフェニックスはスパーズとサンダーへの敗戦でもしっかりと競い合っている。タンクするとされているチームが対戦相手との得失点差で+5点(通常ならトップ7に入るくらいの数値)を記録している時点で注目される価値はある。複数の西カンファレンスの首脳陣達がフェニックスがもしかしたら本物かもしれないという懸念を抱いている。

昨シーズン、リーグ2位となる長距離2点シュート数を放っていたサンズは完全にショットセレクションを見直してきた。フェニックスのローテーションに入っている4人中3人のビッグマンがスリーを打つ事ができコートをかなり広げる事ができるので、エリック・ブレッドソーがピック&ロールから切り込んだり、コーナーからスリーを打ったり、マーキーフ・モリスが中距離ジャンプシュートをするよりもインサイドに攻め込む事を可能にしている。キーフはここ4試合でシュート率70%で平均23得点近くの活躍を見せている。ここまでのレベルを保つとは思えないが、彼のシュートの半分近くがペイント内からになれば効果的なプレイをある程度は維持出来るだろう。

しかしサンズはそれよりも守備で輝きをみせており、ポゼッション平均失点でリーグ5位につけている。アシスタントコーチのマイク・ロンガバルディはボストン時代にトム・シボドーの元でコーチしており、フェニックスにシボドーのシステムを驚くほど効果的に導入出来ている。全員ルールを守っており、ブレッドソーは驚異的。そしてSportsVUによるとチャニング・フライかモリスかマイルズ・プラムリーがゴール下にいる時、相手は近距離からのシュート率が40%に抑えられている。ロイ・ヒバートレベルではないが、タイソン・チャンドラーレベルの仕事をみせており、この集団からするとかなりの驚きである。プレイオフチームでは無いかもしれないが(チームとしてもプレイオフには行きたくないだろう)、周りが予想していたよりも強い事は間違いない。

SAM FORENCICH/NBAE VIA GETTY IMAGES

SAM FORENCICH/NBAE VIA GETTY IMAGES

皆走るわ、スリーを打つわ、笛吹きまくるわ

なんじゃこりゃ。NBA.comによると6チームもが1試合平均100ポゼッション以上を記録している。昨シーズンそれを記録したチームは0。もう何十年もNBAはこの速さのペースでプレイしていない。

何が起こってるんだ?色んな事の組み合わせだろう。通常シーズン序盤では各チームがシュートタッチを探し求めローテーションを探るため、オフェンスはディフェンスより劣る。結果ターンオーバーが非常に多くなり、リーグ全体でポゼッションが必然的に増える。現在ターンオーバーは確かにシーズン終わりの時より多いのかもしれないが、昨シーズン序盤も同様にターンオーバーが多かったが同時にリーグのペースが上がる事はなかった。

次の推論:複数のチーム上層部とリーグがGrantlandに提供した数値によるとオフェンシブ・ファウル、特にイリーガル・スクリーンが昨シーズンの同時期に比べて増加している(今シーズン1試合平均のオフェンシブ・ファウル数は4.84、昨シーズンは4.08。しかし興味深い事に4.74は2011-12と2010-11シーズンと近い)。リーグはここまでピックを取り締まる事に徹底している。ピックはポゼッションの始まりに複数かけられる事が多く、イリーガル・スクリーンが呼ばれれば呼ばれるほど、ポゼッションが切り替わる事につながる可能性がある。

3つ目の推論:昨シーズンのリーグ記録となったスリー試投数を現在破るペースでスリーが打たれている。各チームが約1本ほど昨年に比べてスリーを打っている。特にトランジションで最初に得たスリーのチャンスで打つようになっている傾向が見られる。

また今シーズンは早撃ちの良さを理解している新HC、新GMが多く就任しているのも要因の1つだ。弱いチームに就く新コーチは実験的にペースを上げ予測出来ないプレイの機会を増やしタレントの差を埋めようとしている(これは興味深い事で、頭の良いNBA首脳陣はここ数年反対の行動を取るようにしていた。ペースを遅くしポゼッション数を減らす事が本命を倒すのに良しとされていた。アンダードッグの戦術としてあるフルコートプレスがあまり有効ではないこのリーグでは尚更だ。ポゼッションが増えれば増える程タレントの差が影響してしまうというのがこれまでの考え方)。しかし新コーチが就任していないようなチームでも今シーズンはペースが上昇している。

それぞれの要素が恐らく絡み合って今のペースを生み出しているのだろう。しかしもしかしたら、リーグが全体的にどの様に得点するのがベストかと言う事を学び始めているという可能性もある。

東カンファレンスプレイオフ当落線上で気になる事

1. キャブスが得点出来ない
クリーブランドはポゼッション平均得点で現在リーグ29位で、キャブスのオフェンス数値のほとんどが悪い。昨年NBA.comによるとカイリー・アーヴィングとアンダーソン・ヴァレジャオが一緒にプレイしていた時はリーグ平均の得点力があっただけに残念だ。

アーヴィングに火が付き始め、ヴァレジャオがピークの状態に戻れば事態は良くなるだろう。ヴァレジャオは明らかにまだ調整中で、トリスタン・トンプソンという同様のピック&ロールタイプのビッグマンと共存する方法を探っている。その2つの要因と、新スタメンのアロンゾ・ジーにしろベンチに降格されたアール・クラークにしろスモールフォワードのシュート力が不安定な為キャブスにとってコートのスペーシングが非常に狭くなっている。確かにC.J.マイルズは多少の助けになっているし、アーヴィング、ディオン・ウェイターズ、ジャレット・ジャックの3ガードコンビは限られた時間で相手を切り裂いている。しかし同グループは守備面で耐えるのが厳しい。アンドリュー・バイナムはフランケンシュタインの怪物状態だし、アンソニー・ベネットはコートで何もしていないに等しい。心配だ。

2. アクシオ!
ウィザーズを見てみて!昨年ポゼッション平均得点最下位だったウィザーズは現在9位で他のどのチームよりもスリーを打っている。平均9.3本コーナーからのスリーを打っており、これはこれまでシーズンを通してどのチームも記録した事の無いような数字だ。ジョン・ウォールは自身が不調でも周りに良いシュートを与える事が出来、ブラッドリー・ビールが不調から抜け出しシュートタッチを取り戻した。エメカ・オカフォーの不在でチームの守備力は落ち、ガード/ウィングポジションでのプレイが怪しいが、トレバー・アリーザがスモールフォワードの先発に起用される活躍を見せており、ウィザーズは以前からネネがプレイ出来るときは良いチームだった。ネネとマーチン・ゴータットのコンビは守備で良い動きを見せている。祈ろう。

3. ピストンズのビッグラインナップが全てにおいて酷い?
えーと、ジョシュ・スミスとアンドレ・ドラモンドとグレッグ・モンローが一緒にプレイしている135分間でピストンズは相手に22点差でやられている。ピストンズがスペーシングを整理出来るまで得点力は落ちるだろうと思われていたが、予想通りこの3人が一緒にプレイするとスリーの数は減りターンオーバーが激増している。これは一本良いシュートを打つために狭いスペースの間にパスを通さないといけない結果だ。

ピストンズはビッグラインナップになった時に100ポゼッション平均で114.4失点しており、次に失点の多いチームとは大差過ぎてそのチームが見えないくらいだ。これだけのサイズ、ブロック力、リバウンド力がありながらこんな事は有り得ないはず。しかしこれが現実だ。スミスはスモールフォワード相手について行くのが辛い時があり、ドラモンドのピック&ロールに対するフットワークはおぼつかない、そしてモンローは未だに平均以下だ。

ブランドン・ジェニングスの加入とモーリス・チークスHCが最良のローテーションを探るのにもう少し待ってみていよう。3人のビッグマンがいる時にどれだけ好調であろうとロドニー・スタッキーを一緒に出すのは良くない事にきづいた事に関してはチークスHCを評価すべきだ。しかしまだまだ見つけないいけない事が多そうだ(例えば:ドラモンドは常にモンローとスミスと同時に起用、もしくはどちらもいない時にしかプレイしていない。そうあるべきなのだろうか?まだ答えを出すには早いが、見ているのが辛い)。

西カンファレンスプレイオフ当落線上で気になる事

1. ウルブスに食べられるよ
健康状態にも左右されるが、そろそろウルブスを当落線上と呼ぶのはやめたほうが良いかもしれない。リッキー・ルビオとニコラ・ペコヴィッチがケビン・ラブを中心にまたプレイする事を探りながらもオフェンスは今の所素晴らしく、ラブからコーリー・ブリュワーへのアウトレットパスはYouTubeで大ヒット中だ。しかし本当の注目点はディフェンスだ。ウルブスはラブとペコヴィッチが両方出場している時間帯は100ポゼッション平均でわずか96.2失点をマークしている。これは昨シーズンと比べてもかなり良い数値だ。ケビン・マーティンはディフェンス面ではマイナスで、ブリュワーは良いか悪いかタイプなため、ルビオが先発陣で唯一平均以上のディフェンダーという事になる。

そこで不安定なディフェンダーをカバーしてくれる学力、統制、機能するシステムの登場だ。ウルブスはピック&ロールされた時のカバーリングをしっかりと把握している。ほぼ毎回ビッグマンが下がり相手のボールハンドラーを左右に押し込んでいる。そしてファウルもあまりせず、リバウンドをしっかりとしている。ウルブスは昨シーズンも序盤ディフェンスが良かったが、怪我等が重なり落ちて行った。まずまずのベンチ陣しかいない中このレベルを維持する事が出来るだろうか?

LAYNE MURDOCH/NBAE/GETTY IMAGES

LAYNE MURDOCH/NBAE/GETTY IMAGES

2. アンソニー・デイビスは黄金の様に輝いている
ペリーズ(ペリカンズの愛称にしたいらしい)は様々な問題を抱えながらも攻守で平均的で3勝4敗なのが謎だ。ジュルー・ホリデイのシュート力は落ちておりフリースローも例年より獲得できていない、ライアン・アンダーソンは怪我している、エリック・ゴードンはバスケットをアタックしまくっているがまだシュートタッチとピック&ロール破りを取り戻せていない。タイリーク・エヴァンズは不安定と呼ぶのもおこがましい程で、モンティ・ウィリアムズHCはペリメーターにいる3名のスター選手を同時に41分しかここまで出場させていない。ペイントをガチガチに固めるディフェンスはまだ発展途上で相手に多数のスリーを放たれている。

しかしデイビスは数シーズンでリーグのトップ12に入る選手になるだろう。これでも抑えめに言っているほうだ。彼の腕はもの凄く長く、まるで6人目のディフェンダーがいるかのようだ。

3. デンバーがめちゃくちゃだ。
サンズの全くの反対である。ブライアン・ショーHCがロスターにあっていない削り合い・ポストのスタイルを強いる中デンバーのシュートセレクションは劣化している。デンバーはペイント内でのシュートがわずか33%にしか及ばず、昨シーズンのジョージ・カールが起用していたドリブル・ドライブスタイルで得たリーグトップの48%には遠く及ばない。タイ・ローソンはドライブする際に今までのようなスペースが無く、これまでリーグをうろたえさせていたリムをアタックする代わりに、ケネス・ファリードがで酷いターンアラウンドを打ったりビッグマンがジャンプシュートを打ったりする中距離からシュートスタイルに切り替えてしまった。ジャヴァレ・マギーとファリードのペア(マギーの疲労骨折でこのペアもしばらく見られない)に頼っていた対ピック&ロールのディフェンスは予想通り酷いものだ。

大きなレベルでのコーチ変更があり、スモールフォワード不在という事実からこの結果は当然なのかもしれない。ショーHCは毎日の様に代わるローテーションの中でスモールフォワードのポジションをありとあらゆる選手を試している。とりあえず今の所このチームはドラフト行きにしか見えないが、それもそこまで驚く事ではないのかもしれない。

後編に続く»

2 Comments

  1. 序盤の「ローズの錆」で「ちょっww」ってなりました。まあ否めない^^;
    サンズ好調の影にシボドーがあったとは、驚きです。

    • BFiJ

      Rockさん、コメントありがとうございます。
      ローズに関してはきっと予想出来る範囲だからそんなに心配する事でもないって事なんだと勝手に解釈していますw ポジティブシンキング。
      シボドーシステムは徐々にリーグに浸透していってますよねー。

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